深指屈筋-筋肉の解剖学

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指の「先端」を曲げる要！
『深指屈筋』解剖学
手根管症候群や前腕の深部痛に関係？

こんにちは！埼玉整体師養成学校です。

これまで、前腕を「手のひらが下を向くようにひねる」（回内）筋肉（円回内筋、方形回内筋）や、手首を曲げる筋肉（栂側手根屈筋、長掌筋）について解説してきました。そして前回は、指の真ん中の関節を曲げる浅指屈筋について学びましたね。

今回は、その浅指屈筋のさらに**「下」にある、深層の重要な筋肉、『深指屈筋（しんしくっきん）』**について解説します。

深指屈筋は、文字通り指の「深層」にある筋肉で、浅指屈筋と同様に４本の指（人差し指から小指）を曲げますが、その働きには大きな違いがあります。この深指屈筋は、指の「先端」の関節を曲げることができる、非常に重要な筋肉です。

この筋肉の状態が、前腕の深部痛や、多くの方が悩む**「手根管症候群」、さらには神経の症状**にも深く関わることがあります。

埼玉県、そしてさいたま市で、お客様の腕、手首、指の不調、特にシビレや筋力低下といった神経症状にも対応できる整体師を目指すなら、深指屈筋のような、深層の筋肉と神経との関係への深い理解は必須です。整体のプロへの道を、私たち埼玉整体師養成学校で学びましょう。学校やスクール選びでお悩みの方にもおすすめです。

深指屈筋って、どこにあるの？

深指屈筋は、前腕の前面の、最も深い層に位置する筋肉です。浅指屈筋のすぐ下に隠れています。

尺骨（小指側の前腕の骨）と、栂骨（親指側の前腕の骨）と尺骨の間にある「骨間膜（こっかんまく）」という強固な膜に広く付着して始まります。前腕の骨の大部分を覆うように広がっています。

この筋肉から伸びる４本の腱は、浅指屈筋の腱の「二股の間」を通り抜け、手首の手根管の中を通り、それぞれの指の「先端の骨」まで伸びています。

深指屈筋のキホン解剖学

深指屈筋は、指の先端の関節を曲げられる、唯一の筋肉です。

• 機能（どんな働きをするの？） 深指屈筋の最も重要な働きは、指の「先端」の関節（DIP関節：遠位指節間関節）を曲げることです（第２～５指）。

  指の先端の関節を単独で曲げられるのは、この深指屈筋だけです。力強く物を握り込んだり、指先で何かを引っ掛けたり、クライミングでホールドを持ったりする際に中心的に働きます。

  その他に、**手首を手のひら側に曲げる（屈曲）**動きや、わずかですが肘を曲げる動き（肘関節の屈曲）も補助します。

• 起始（体のどこから始まるの？）

  • 尺骨（小指側の前腕の骨）の前面と、栂骨と尺骨の間にある骨間膜に広く付着して始まります。前腕の骨の大部分から始まる、深層の筋肉です。

• 停止（体のどこにくっついているの？ – ここが動く！） 筋肉は４本の腱となり、手首を通ってそれぞれの指（第２～５指）へと向かい、浅指屈筋の腱の二股の間を通り抜けて、**指の「一番先端の骨」（末節骨：まっせつこつ）の底（付け根）**に付着します。

【ここがポイント！】 深指屈筋は、指の「先端の関節（DIP関節）」を単独で曲げられる、非常にユニークで力強い筋肉です。前腕の深層に位置し、広く骨と骨間膜から始まります。

なぜ深指屈筋の知識が整体師にとって重要なのでしょうか？

深指屈筋は深層にあるため、その問題が見つけにくいこともありますが、前腕の深部痛や、手・指の機能障害、そして神経症状に深く関わります。

• 前腕の深部痛/凝り: 深指屈筋は、力強く指先を曲げる動作で中心的に働くため、長時間の細かい手作業、力強い握り込みや引っ張る動作（クライミング、綱引きなど）は、深指屈筋に大きな負担をかけます。これにより、前腕の前面、特に深い部分に、ズーンとした重い痛みや凝りが生じやすいです。これは、前腕を強く押したり、指先を強く曲げたりした際に感じられることがあります。
• 手首や手指の痛み/シビレ（手根管症候群）: 浅指屈筋腱と共に、深指屈筋から伸びる４本の腱も手首の狭い手根管の中を通過します。繰り返し指や手首を使い、これらの腱が腫れたり硬くなったりすると、手根管内の圧力が高まり、中を通る**正中神経（せいちゅうしんけい）を圧迫してしまいます。これにより、親指・人差し指・中指・薬指の半分にかけてのシビレ、痛み、感覚異常、筋力低下といった典型的な「手根管症候群（しゅこんかんしょうこうぐん）」**の症状を引き起こす重要な原因となります。深指屈筋腱の状態は、手根管症候群の原因として、浅指屈筋腱と共に非常に重要です。
• 手指の機能障害: 深指屈筋が硬くなると、指の先端の関節（DIP関節）を完全に伸ばしにくくなります。また、腱の一部が損傷（ジャージフィンガー：ユニフォームなどを引っ張って指先を強く伸ばされた際に深指屈筋腱が切れることなど）すると、指の先端が曲げられなくなるといった重篤な機能障害にも繋がります。
• 神経との関連（正中神経・尺骨神経）: 正中神経は手根管内で深指屈筋腱と並んで走行し、圧迫の原因となります。さらに、深指屈筋は、人差し指・中指を動かす部分は正中神経に、薬指・小指を動かす部分は**尺骨神経（しゃっこつしんけい）**に支配されているという特徴があります。これにより、特定の指（薬指や小指の先端）だけが曲げにくい、といった症状から、尺骨神経の問題を推測する手がかりにもなります。正中神経と尺骨神経、どちらの神経の問題かを見極める上で、深指屈筋の知識は不可欠です。

整体では、お客様の前腕の深部痛、手首や手指の痛み・シビレ、指の動き（特に先端の関節）の不調などを評価する際に、深指屈筋の状態を推測し、適切に触察します。指の先端の関節を単独で曲げるテスト（他の指を伸ばしたまま痛む指の先端だけを曲げてもらう）、手首の屈曲・伸展可動域、前腕の奥深部の圧痛、そして手根管部や尺骨神経の通り道（肘の内側など）での神経症状の有無などを評価することが、深指屈筋や関連する神経の問題を見極める上で重要になります。

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埼玉県で、そしてさいたま市で、お客様の前腕の深部痛、手首や指の不調、特に手根管症候群のような神経症状にも的確に対応できる整体師を目指すなら、深指屈筋のような、深層の筋肉と複数の神経との関係への深い理解は必須です。

埼玉整体師養成学校は、体の表層から深層まで、骨格や筋肉、神経や血管といった構造を体系的に学び、痛みの原因を特定しアプローチできるプロの技術を習得できるおすすめのスクールです。深指屈筋のような、手や指の複雑な動きや神経症状に関わる深層筋への触察（手で触って筋肉の状態を感じ取る技術）や、評価法、安全かつ効果的な施術法も実践を通して習得可能です。

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まとめ

今回は、指の「先端」を曲げる深指屈筋について解説しました。

• 深指屈筋は前腕前面の最も深い層に位置する筋肉。
• 尺骨前面と骨間膜から始まり、４本の腱となり指の末節骨底（先端の骨）に付着する。腱は浅指屈筋腱の二股の間を通り抜ける。
• 主な機能は指の先端の関節（DIP関節）の屈曲、手首の屈曲補助。指の先端を単独で曲げられる唯一の筋肉。
• 前腕の深部痛や、手首の手根管の中を通り、硬さや腫れが手根管症候群の原因となる、臨床的に非常に重要な筋肉。
• 人差し指・中指は正中神経、薬指・小指は尺骨神経という二つの神経に支配される特徴を持つ。

深指屈筋は、浅指屈筋の下に隠れた深層の筋肉ですが、力強い握り込みや、指の先端の動きに不可欠であり、前腕の深部痛や、手根管症候群、尺骨神経に関連する症状にも深く関わる、臨床的に非常に重要な筋肉です。整体師は、前腕の筋肉の層構造や、それぞれの筋肉と神経との複雑な関係を理解し、適切に評価・施術を行うことが、腕から指にかけての様々な不調改善には欠かせません。

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